あの頃の誰か [ 東野圭吾 ]

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東野圭吾さんの、「あの頃の誰か」を読みました。



色々と訳ありで今まで掲載出来なかった短編を

収録している本です。

なので、年代も古い話だったりするので、

バブル時代を思い出させ、「あの頃…」というタイトルを付けたんでしょうね。



短編集なので、時間がない時でも簡単に読めて良かったです。

でも、東野圭吾作品としては、やはり昔の作品だからか、それとも短編だからか、ちょっといまいち…。



そんな中で面白かったのが、

「再生魔術の女」。

妹の復讐を姉が果たすんですが、復讐の仕方がかっけーーーーーーー!

自分の手を汚さずに仕留める!

それにしても、証拠が色々とあるのに、この男が殺人を犯した時に捕まらなかったというのが不思議。

その辺が現実的じゃない。



あとは、「さよなら『お父さん』」。

ドラマや映画にもなっていた気がするけど、「秘密」の原型となった話。

この短編を書いて、もっとしっかり書きたいと思って、「秘密」が産まれたようです。




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私はバブル時代を生きていた一人。

今では考えられない、すごい時代だったんですよ。

女性たちには、

アッシー君(車で送迎してくれる人)、メッシー君(飯をおごってくれる人)、ミツグ君(なんでも買ってくれる人)

がいて、

彼氏とは別に、このような男性がいるんです。




洋服は、一流ブランドでなければいけない、

信じられないくらい高い服を、平気で女子高生や女子大生が買うのよ。

親も金持ってるし、祖父母も金持ってるし、彼氏も金持ってるし、

女子大生がヴィトンのバッグ、なんてそこらじゅうにいました。

(私が通っていた学校は、お嬢様学校(学費が高い)と呼ばれている学校だったせいもある)



ワンレン(ストレートのロングヘア)、ボディコン(体のラインがくっきり出るワンピース)

の服を着た女がうじゃうじゃといて、フェロモンを撒き散らしている。

理想の男性は、「3高」で、高身長、高学歴、高収入、この三つを兼ね備えていないと

男の価値はない。

背が低くて、高卒で、収入が低い男は、それだけで相手にされない傾向があった。

調子ぶっこいてる女達が世の中に蔓延していたのよね。


なんで男性も、そんな(クソみたいな)女に一生懸命貢いでいるのよ、と思うでしょうが、

そこにはちゃんと、「愛」があったのです。

相手の女性が好きだから、一生懸命男性達はお金を使って尽くしてきたんですよね。








私もこんな服着てました。

うふふ。

ディスコでガンガン踊ってましたよ。

お立ち台にも立ってましたよ。

バブリーな女です。

今でもオシャレの為に派手なアクセサリーを付けると、なぜか、

「出たな!このバブル女!」と、まるで妖怪みたいに言われます。

若い人が付けていると、「キラキラさせて、オシャレね~」って言われるのに、

なんでアタシが付けると、「妖怪バブル女」なんだよ。(妖怪とは言っていない)





同時に、良妻賢母型の女性もたくさんいた時代でもあります。

男性に尽くすのが当たり前、尽くす事が愛!

男は仕事、女は家庭を守る。

まだまだそんな時代でした。

だから、女性たちは就職する時に、「腰掛け」と言って、結婚するまでの繋ぎの仕事をする人が多かった。

適当に数年働いたら、お金のある男性と結婚して永久就職よ、ってね。(専業主婦の事)

男に依存する気満々なのです。

男性も、「家族を養わなければならない」という使命に燃えていたしね。

高飛車な女でも、ここぞと言う時には尽くすタイプの人が多かったですよ。



女はクリスマス(24歳)までに結婚しないと「行き遅れ」、と言われ

(クリスマスケーキは24日が一番売れて、25日からは半額になり、それ以降は売れない事から

クリスマスを年齢に例えられていた)

30歳で独身だとオールドミスと影で色々言われてしまう、

かわいそうな時代でもありました。

(オールドミスって久しぶりに使ったけど、今は使わない?意味分かる?

年取ってるのに結婚しない女のことね。悪口に使う言葉です)

私なんて、25歳の時に「熟女」と言われていたわ。どういうことやねん。


当時の40代のイメージは、こんなイメージよ。




ま、今でもたまに、こういう40代いるけどね。



今の40代は綺麗よね~~~。

30代だって十分おばさんと言われていたのに、今なんて20代に見間違う人がたくさんよね。

30代!?若っ!って言われちゃう。

私なんて30代の時、既に健康の話に花を咲かせていたわ。



こうして見ると、当時は年取った女性への扱いがひどかったわね。

今も「女は若くないと!」と言う雰囲気ではあるけれど、

アラフォー女性にスポットが当たっていたりするじゃない?

昔はもっと、「若くなければ生きてる価値がない」くらいに思われていた気がするわ。







そしてバブル崩壊。




みんなお金がなくなってしまいました。

時代が変わり、ユニクロ、GU、しまむらなど、プチプラ(安い)が流行り、

男性の収入が全体的に少なくなってしまったので

女性も働かなければいけない。

ちゃんと資格を取って、男性に依存せず、一人一人の独立した生活を志し、

その代わりに、家事も育児も男性にもやってもらうわよ、という時代ですよね。





イクメンが持てはやされ、それらが苦手な旦那達は

「○○さんちの旦那さんは、こんなことをしてくれるらしいわよ!

あなたと全然違うわよね」

と嫌味を言われてしまう。

よその家庭と比較するのはやめましょう。

上には上がいて、下には下がいて、キリがないから。

私だって、よその奥さんと比較されて、あっちはいいなぁ♪って言ったら

すごーーーく嫌な気分になるし、

それじゃ、あっちと結婚すれば?と、離婚届持ってくるわ。

隣の芝生は良く見えるものです。






私の年では、まだ昭和の臭いがプンプンしていて、

男性に尽くす奥様が多いです。

なんだかんだと悪態付く妻であっても、やはり皆さん、男性に家事はほとんどさせていない人が多く、

「うちの旦那、何もしないのよ!」と文句言いながらも全部奥さんがやっちゃってるのね。

そういう風に刷り込まれているからしょうがないわよね。

そして、それをやれる力量があるというのも大きな特徴。

たぶん、自分の母親がそういう人で、その姿を見ながら育っているからというのもあるだろう。

すごい人になると、靴下も履かせてあげている、バナナの皮も剥いてあげている人もいる。

そんな人と比較されたらたまったものじゃない。笑





ほんの数年のずれで、ずいぶん、女性の意識が変わっています。

私の5歳下で、既に、

「家事は女がやるものって誰が決めたの?当然旦那にもやってもらうわよ」

そういう意見に変わってきました。

これからの若い時代の奥様達は、もっとそういう意識が強くなっていくことでしょう。





意識が変わっているのは女性だけかもしれないんですけどね。

男性は今でもまだ、

「女性に尽くしてほしい。家事育児はあまりやりたくない」と思っている人がごまんといる事でしょう。

それは、男性の母親が、まだ昭和の臭いがプンプンする時代の人だからですよね。

女性の母親もそういう人なはずなのに、どうして女は意識が変わっていくのだろう。

それは女は本来、皆、

わがままで傲慢でズボラで楽がしたいと思っている生き物だから。




私がその代表みたいなものでございます。すいません。




私の場合は、産まれた時代がちょっと昔だったから、

女性が男性に尽くす物と刷り込まれているから

なんとなくそうしてきたけれど、

今20代だったらどうだったかなぁ。笑




息子や娘の時代には一体どうなっていることやら。

息子は、「めんどうな事を色々と押し付けられるのは嫌だなぁ。

それなら結婚しなくていいんじゃねーの?」と言う。



めんどくさい事を相手に押し付け合う、ではなく、

二人で助け合って共に生きて行くんだ、という意識で

結婚して欲しいなと思います。

息子よ、想像してみて下さい。

大好きなあの子と一緒に暮らせて、交代で料理したり、二人で料理したり、

失敗したら「不味いねー」って二人で笑い合ったり。

奥さんが育児疲れで大変な時、ちょっと寝かせてあげようとか、たまには一人で出掛けたいだろうとか

助けたいって思えると思うよ。

好きな人が困っていたら、助けたいって、本能が働くと思う。

あなたが疲れている時は、そっと寄り添ってくれるかもしれない。

そう考えると、結婚って、楽しそうでしょ♪



まーね、愛がなくなれば、面倒な事を押し付け合うようになるんだけどね。笑






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いつもイイネやコメントをありがとうございます♪


なんだか、書評じゃなく、バブル時代の話になってしまいました。

みんながこんな状態だったわけではないんですけどね。

本の最初のお話の「シャレードがいっぱい」に出てくる女性が、まさにこんな感じの女性で。

ただその女性も、かなりスペックが高いので、だからこその自信だと思いますが。

文にすると鼻につくんですが、実際には、当時の若者も

ちゃんといい子達だったんですよ。




今も、女子大生がヴィトンのバッグを持っている、という人もいるでしょうし、

自立せずにずっと夫に頼って行こうと思っている人もいるでしょうし、

家事能力の高い、良妻賢母型の若者もいると思います。


いつだって、心の中は根本的には変わらないんだろうなと思います。

経済が時代を左右しているんでしょうね。

もしも旦那さんの収入が、今の2倍になったら、昔と同じように、

働くのを辞める女性も多くなるんじゃないかと思います。



そして、若い時とは違い、子供達の手が離れ始めると、

夫婦のあり方も変わってきます。

そんな話もまたいつか出来たらいいな。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!